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信(しん)じて託(たく)すから信託!登録で、第三者へ対抗!

信(しん)じて託(たく)すから信託!登録で、第三者へ対抗!
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今回は「著作権の登録制度」から

特に、信託契約があった場合の
「著作権の信託の登録」について
見ていきましょう。

この記事を読むと📚

  • 著作権の信託の登録の具体的な手続き
  • 投資信託で聞いたことがあるけど、意外と謎が多い「信託」の基本的な仕組み

が、バッチリ分かります!

前回までの、テーマのおさらい

今回も、第三者への対抗要件がテーマ

実名の登録では
実名登録することで
著作権の保護期間が延び

第一発行年月日等の登録では
第一発行年月日を登録することで

この著作物の著作権は
いつからいつまで?という
保護期間が明確になりました。

そして、前回の
相続時の著作権の移転登録や
著作権の譲渡の登録では

第三者への対抗要件を備えるため
文化庁への登録が必要でした。

今回のテーマである、信託の登録も
第三者への対抗要件を備えること
基本的な、目的となります。

第三者への対抗要件については
こちらの記事も併せて読んでいただくと
理解が深まると思います。

今回のテーマ :
著作権の信託の登録

(著作権の登録)
第七十七条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一 著作権の移転若しくは信託による変更又は処分の制限
二 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

著作権法 第七十七条(著作権の登録)

著作権法の、第七十七条では
著作権の信託は、登録しなければ
第三者に対抗できない。

と、明記されてますね。

そもそも、よく耳にするけど
実際のところ、信託とはいったい何なのか?

  • 信託を知るには、民法の委任から
  • 信託の基礎知識
  • 信託の登場人物
  • 著作権の信託の登録とは?

このような構成で
記事をまとめてみます。

ご興味のある部分だけでも
目を通していただけると、幸いです。

信託を知るには、民法の委任から

(趣旨)
第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

信託法 第一条 (趣旨)

行政書士の試験科目は
憲法・行政法・民法・商法です。

信託法は、今、条文を読みました。

そして、読んでみた結果
民法の委任と、会社法を合わせたような内容が
信託法である
、という印象です。

信託は一見複雑に見えますが

そのベースには
皆さんが、よくご存じの
委任契約にあります。

というわけで!

まずは、まずは民法の委任から
確認していきましょう。

そもそも、委任契約とは?

(委任)
第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

民法 第六百四十三条 (委任)

この条文に、書いてある通り

① 当事者の一方が
② 法律行為をすることを
③ 相手方に委託し

そして
④ 相手方がこれを承諾すること

によって、成立します。

  • 相手方に依頼する側を “委任者”
  • 相手方から依頼される側を “受任者”

と、呼びます。

行政書士に業務を依頼するのも
この、委任契約であるわけですね。

委任契約は、お互いの信頼関係がキモ

(受任者の報酬)
第六百四十八条 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。

民法 第六百四十八条 (受任者の報酬)

民法の条文では
委任契約の場合、特約がなければ
無報酬と、なります。

原則は
片務・無償・諾成契約となり

報酬特約がある場合
双務・有償・諾成契約と、なります。

ちょっとだけ用語解説

片務契約とは?

片務(へんむ)と、読みます。
一方だけが、債務を負担し

相手方は、それに対して義務を負わない
それを、片務契約といいます。

無償契約とは?

契約の当事者の一方のみが
経済的な損失をする、契約のことです。

つまり、委任契約の場合
報酬特約がなければ
受任者が損失をする、無償契約となります。

善管注意義務とは?

(受任者の注意義務)
第六百四十四条 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

民法 第六百四十四条 (受任者の注意義務)

良な理者の注意をもって
委任事務を処理する義務を負う。

たとえば
業務を委任された人の

  • 専門的な能力や、社会的立場から
  • 通常は期待されているであろう

注意義務を果たすことを、いいます。

また、会社法では
会社と取締役は
委任契約の関係になります。

この場合もやはり
善管注意義務を負いますが

この取締役が負う場合の
善管注意義務を
忠実義務と呼びます。

ここから、信託の基礎知識

さて、ここからは
民法の委任を抑えたうえで
信託について、確認していきましょう!

信託は、文字通り
「信じて託す」ことから生まれた制度です。

まずは、信託法の趣旨から

(趣旨)
第一条 信託の要件、効力等については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

信託法 第一条 (趣旨)

信託の登場人物

信託では
3つの立場が登場します。

  • 委託者
  • 受託者
  • 受益者

委託者
受託者へ財産権を移転し
信託の目的に従って

受益者のため
その財産権を管理・処分するという制度です。

民法の委任では
委任者と受任者でした。

信託に当てはめてみると

  • 委託者 = 委任者
  • 受託者 = 受任者
  • 受益者 = これが加わった。

このような、イメージになります。

信託の種類

(信託の方法)
第三条 信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
一 特定の者との間で、当該特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の契約(以下「信託契約」という。)を締結する方法
二 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
三 特定の者が一定の目的に従い自己の有する一定の財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為を自らすべき旨の意思表示を公正証書その他の書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)で当該目的、当該財産の特定に必要な事項その他の法務省令で定める事項を記載し又は記録したものによってする方法

信託法 第三条 (信託の方法)

条文を見るだけで
「うわっ」となりますが(笑)
上から、それぞれ

  1. 信託契約(通常)
  2. 遺言信託
  3. 自己信託

と、なっています。

信託契約では
委託者と受託者で契約をします。

遺言信託では
文字通り、遺言による信託です。

自己信託では
自分が、委託者と受託者になります。

条文を読むと
自己信託だけは
要件が厳しくなっています。

委託者から受託者に
移転された財産は
信託の目的のために管理されます。

受託者が破産しても
信託目的の財産のため
債権者は手を出せません。

これを
信託財産の独立性と呼びます。

自己信託の場合
自分の財産を自分に移転し
信託目的の財産としておけば

自分が破産しても
信託目的の財産のため
債権者は手を出せない。

つまり、抜け道に使われる
可能性があるため、公正証書など
要件が厳しくなっているのですね。

財産を保全するための
強力な制度ですが
悪用されかねない。

ということですね。

著作権の信託の登録とは?

民法の委任から始まり
信託の基本について
見てきました。

ここからは、本題である
著作権の信託の登録に
入りましょう。

第三者への対抗要件は登録!

(著作権の登録)
第七十七条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。
一 著作権の移転若しくは信託による変更又は処分の制限
二 著作権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は著作権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

著作権法 第七十七条 (著作権の登録)

信託契約は
委託者と受託者の契約で成立します。

もし、委託者が受託者Aさんと
著作権の信託契約を結び

さらに、受託者Bさんと
まったく同じ
著作権の信託契約を結びました。

この場合、二重譲渡となり
どちらの契約が早いか?

ではなく

どちらの受託者が
先に著作権の信託の登録をしているか?
に、よって法律上の受託者が決まります。

つまり、二重譲渡の相手に対して
「私が受託者です!」
と、主張できるようになります。

著作権の信託の登録の方法

著作権の信託の登録の必要性は
ご理解いただけたでしょうか?

ここでは
文化庁の登録の手引きをもとに

著作権の信託の登録を
簡単に、ご紹介いたします。

申請に必要な書類や手続きの流れを
ステップごとに見ていきましょう。

✅ 事前に、文化庁へ相談を

著作権の信託の登録を申請するに当たっては,著作権法施行令の各規定によりますが,申請書の記述方法については,基本的には登録という公示制度の性質上,第三者が公示内容を参照することによって当該権利に関する必要な情報等が客観的に分かるよう,登録原簿に記載されるべきことを考えると,当事者しか理解し得ないような記述方法では問題があります。具体的には信託契約等の内容によって様々なものがあり得ますので,事前に御相談くださるようお願いします。

(文化庁著作権課, 「登録の手引き」p.37)

著作権の
信託の登録をする場合

事前に、文化庁著作権課に
相談が必要です。

✅ 著作権の信託の登録ができる者

原則として
登録権利者と登録義務者の
共同申請
となります。

ただし
登録義務者の承諾書があれば
登録権利者の単独申請も可能
です。

  • 登録権利者 = 受託者
  • 登録義務者 = 委託者

✅ 著作権の信託の登録に
必ず必要な書類等

☑ 登録免許税 (収入印紙 : 3,000円)

☑ 著作権登録申請書
☑ 著作物の明細書
☑ 登録の原因を証明する書類

✅ 場合によっては、必要な書類等

☑ 登録義務者(委託者)の承諾書(単独申請の場合)
☑ 委任状(代理人が申請する場合)
☑ 第三者の許可・同意・承諾を証明する書類(共同著作物など)

著作権の信託の登録の手続きの流れ

① 信託契約書等の作成をします。
② 文化庁に事前相談をします。
③ 著作権登録申請書等を作成します。
④ 文化庁にメールで、申請書等の事前確認依頼を行います。
⑤ ④でOKをいただいたら、①と③を郵送で文化庁に提出します。
⑥ 審査に通れば、登録原簿に載り、登録通知書が交付されます。

さいごに

文化庁の手引きを読めば
誰でも登録は可能です。

その前段階として
信託契約について

きちんと専門家を交えて
信託契約書を作成しておきましょう。

信託は、信託財産の独立性という
非常に強力な制度があり

また、二重譲渡があった場合
登録による対抗要件を
備えておかないと

「私が受託者です」
と、主張できないことになります。

いずれにしても、今回の記事が

ご自身のクリエイティブな活動が
適切に保護される、正しく評価されるための
一助となれば幸いです。

そして、これからも

著作権に関する有益な情報を
発信してまいります
ので
ぜひご活用ください。

最後までお読みいただき
誠にありがとうございました👍

出典・参考資料等

「著作権登録制度」(文化庁)
(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/toroku_seido/)

「初めて登録申請される方へ(PDF)」(文化庁)
(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/toroku_seido/pdf/93797001_01.pdf)

「登録の手引き(PDF)」(文化庁)
(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/toroku_seido/pdf/93977001_01.pdf)

「申請様式(WORD)」(文化庁)
(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/toroku_seido/word/93718101_01.doc)

難しそうなので
頼みたいという方へ…

信託契約が完了していて
信託契約書等があれば

比較的、容易に
手続きは可能と思われます。

また、その際に
専門家に依頼していた場合

その際の、専門家へ
相談されることを
おすすめします。

そうではなく
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お近くの、行政書士へご相談ください。

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